研究課題/領域番号 |
18043011
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
佐藤 憲昭 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30170773)
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研究分担者 |
出口 和彦 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教 (40397584)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
2007年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 強磁性 / 超伝導 / ウラン化合物 / 重い電子系 / ウラン系磁性超伝導体 / 高圧 |
研究概要 |
当初予定していた強磁性超伝導体UGe_2のほかに、昨年夏に発見・報告された超伝導強磁性体UCoGeも緊急課題として取り上げた。これらの各々に対し、次のような成果を収めた。 (1)UGe_2に対し、高圧と磁場による"チューニング"を組み合わせて熱膨張および交流磁化の測定を行った。その結果、臨界圧力以下の超伝導相は圧力の不均一性によるものであること、臨界圧から延びる1次相転移線は臨界点(約6ケルビン)で終端すること、臨界点の近傍で圧縮率および磁化率が(発散的な)増大を示すこと、超伝導の現れる圧力域の低温領域で非フェルミ液体挙動が観測されること、などを見出した。この最後の結果は、超伝導の発現機構を解明するヒントとなりうる。 (2)UCoGeの多結晶試料を合成し、NMR/NQR実験を行った。その結果、核磁気緩和率において超伝導ギャップの形成を反映した成分と磁気的な成分の2成分が存在すること、および、「自己誘導渦糸」の存在を指摘した。また、単結晶の育成にも成功を収め、それを用いて、極低温・高圧実験を行った。その結果、上部臨界磁場の異方性(磁気容易軸方向で最小)を明らかにした。さらに、圧力下で交流磁化率の測定を行い、強磁性転移温度と超伝導転移温度の圧力依存を明らかにした。前者は線形的に減少するのに対し、後者は逆に線形的に増大するが、それらが交差する圧力以上では、超伝導転移温度はむしろ減少する。これは強磁性と超伝導が関係していることを示しているが、強磁性が超伝導を抑制しているとする可能性は排除される。これは、従来の説と対立するものであり、新しい知見である。
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