研究概要 |
今年度は,主にMRIの分解能の向上を行った。分解能の向上には,磁場勾配の増加が必要であるが,帯域が広がるため,測定感度の向上が必要であり,それらの改善を行い,測定を行った。磁場勾配はx,y,zの各方向とも1.7T/mを実現している。磁場勾配を増やしたためにそれに付随して,周波数帯域を制限するために試料の大きさを小さくする必要や,励起コイルの均一度の向上,励起電力の増大などが必要であった。また,パルス法を用いているために2つの異なる位相を持つ信号間のタイミング等の問題があり,それが分解能の低下の原因となっていた。さらに,低温において磁化の拡散が顕著となるため,それらの影響を調べた。大きな拡散係数のために短いパルス間間隔にしたり,90度,180度パルスの影響を減らすために位相を変えて励起したデータを用いて解析するなどの方策を用いて,データの精度を向上させるなどを行い,現時点で1μmのピクセルサイズを実現しているが,画像に様々な影があり,それらの原因を特定する必要がある。
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