研究課題/領域番号 |
18047021
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
加藤 元一郎 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (80161123)
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研究分担者 |
田渕 肇 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (10286578)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
2007年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
2006年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | 意志作用感 / 自他帰属性 / ファワードモデル / 計算機シミュレーション / 随意行為 / 社会的認知 / 上側頭回 / 扁桃体 / 視線 / 生物学的動き / 行為の意図 / 計算論的シミュレーション |
研究概要 |
随意行為におけるsense of agency (行為の主体であるという感覚)ないしは意思作用感は、工学的な見地からも重要である。例えば、ロボットの設計においては、ユーザが自分自身でロボットで制御していると感じられるように、その操作系を組むことが望ましい。我々は、意志作用感とその障害を説明する認知モデルの構築を目指した研究として、行為の自他帰属性解明へのフォワードモデルからのアプローチを行った。実験用アプリケーションは画面中央に命令が表示された後にボタンを押すと簡単なアクションが起こるものである。ボタンを押す動作とアクションの間に時間遅れ(Temporal Delay)を含む。時間遅れは40[ms]間隔でO[ms]〜400[ms]までの11段階あり、各時間遅れは4回ずつ登場する。被験者には、自分が各アクションを起こした感覚があるかないかを評価することが要求された。まず、自己と他者の行為を区別する基準、すなわち自他帰属性の判別基準がタスク中に変化し得る、という特性が見られた。次に、タスクの前半22ステージとタスクの後半22ステージの各時向遅れにおける自己帰属率を比較した。このことから、タスク進行に伴い自他帰属の判断基準が明確化する、という特性が示された。次に、実験結果から得られた、行為の自他帰属の判別基準の、タイク中での変化、ならびにタスクの進行に伴う明確化を実現するモデルを提案し、シミュレーションを行うことで、その妥当性を検証した。全ての時間遅れのセットにおいて、自他帰属の判別基準値のタスク中での変化と、自他帰属の判別基準のタスク進行に伴う明確化がみられた。故に、先の被験者実験から得られた自他帰属性判別の二つの特性を実現できていると考えられた。
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