研究課題/領域番号 |
18047027
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
関 和彦 生理学研究所, 発達生理学研究系, 助教 (00226630)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
2007年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2006年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | 霊長類 / 脊髄 / リーチング / CPG / ロコモーション |
研究概要 |
ロコモーション(歩行)とリーチングは一見全く異質の運動として捉えられ、それらを制御する神経機構についても別々の形で研究が行われてきた。しかし、四足歩行動物における「はしご渡り」や、二足歩行動物(霊長類)のリーチングにおける筋活動パターンの規則性などのように、実は両者間には多くの共通点がある。この相似性は、四足歩行から二足歩行への移行という環境の変化に対して、前肢の歩行運動を制御している脊髄固有神経回路(CPG)がリーチングを制御する神経回路網に適応的変化したことを反映しているのではないだろうか。本研究の目的は、この「リーチング運動は歩行運動の進化形である」という仮説を神経生理学的に実証することにあった。前年度開発した、把握運動時に脊髄ニューロン活動を慢性的に記録する方法を用いて、2頭のサルより把握運動遂行時の脊髄ニューロン活動を記録した。その結果、運動遂行のサイクルに同期して活動性を変化させるニューロンの多くは、複数の上肢筋運動ニューロンへの直接投射を持つことが明らかになった(Spike Triggered Averaging)。各筋への投射パターンは歩行運動に必要な筋シナジーと類似していることから、これらのニューロンが歩行と随意的上肢運動の制御の際に共有されている可能性が示された。さらに、当該部位に連続的(-3秒)電気刺激を与えると周期的な上肢運動(筋活動)が誘発された事からも、この可能性が確かめられた。
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