研究課題/領域番号 |
18048034
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
市川 正敏 九州大学, 理学研究院, 助教 (40403919)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2007年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ベシクル / リポソーム / レーザートラップ / 相分離 / バイオリアクター |
研究概要 |
本研究の目的は、多成分の脂質二分子膜ベシクル上で起こる2次元的な相分離に於ける、相分離とベシクル形態の関係を明らかにする事である。膜の相分離は、細胞活動で重要な役割を果たしているラフトの化学物理的な現象との関わりが示唆されており、生化学的な見地からも注目されている。本年度は、前年度に引き続き開発した装置での物性測定を行い、既存の理論モデルに結果を当てはめる事で脂質膜ベシクルめ張力係数と曲げ剛性率を測定した。通常、力測定が可能な場合でも1変数の力測定では張力係数か曲げ剛性率の一方、もしくはその比しか解析で導く事が出来ないが、伸張速度とそこで得られる力の依存も取得する事で、両方の係数を同時に得る事が出来る。精度はマイクロピペットを用いた方法と同等かやや上回り、数pNから100pNを越える変形力を必要とする実験に使用できる。この測定を混合脂質膜及び相分離脂質膜に適用し比較検討を行った。相分離しない混合脂質では膜の荷電の増加に伴い表面張力の増加が確認できた、これはベシクル変形に於ける変形経路が変化する事を示唆される。また、この様な単純な混合脂質では力学プロファイルは単成分脂質と相同であるのに対して、相分離脂質膜、もしくは相分離を起こした場合は力学プロファイルに顕著な相違が測定される事が明らかになった。これは、力学測定から脂質膜の相分離を同定出来る事を示したという事であり、脂質2分子膜系の今後の基礎研究の発展に寄与する成果である。この成果を論文としてまとめ投稿中である。
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