研究分担者 |
湊 真一 北海道大学, 大学院情報科学研究科, 助教授 (10374612)
喜田 拓也 北海道大学, 大学院情報科学研究科, 助教授 (70343316)
下薗 真一 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (70243988)
高木 剛 公立はこだて未来大学, 情報アーキテクチャ学科, 助教授 (60404802)
宇野 毅明 国立情報学研究所, 情報学基礎研究系, 助教授 (00302977)
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研究概要 |
本年度は,下記の課題に取り組んだ. (1)超高速知識獲得アルゴリズムの研究:数学的な距離尺度と計算量理論に基づいた新しいクラスタリング技法を提案した.我々は,このクラスタリング技法の数学的な意味を明らかにするとともに,本手法を英語および日本語のテキスト語彙のクラスタリングに適用し,実際に人間の感覚に近い語彙集合に分類されることを示した.さらに,ノイズがあるデータに対しても頑健に動作するアルゴリズムを開発し,その効果を実験的に示した. (2)環境履歴と利用者対話を用いた自律・適応的な知識発見手法の研究:対話的機械学習の効率に関する計算量が,決定的モデルと確率的モデルでは本質的に異なるという性質を世界で初めて見出し,これを理論的に明らかにした. (3)ZBDDに基づく大規模知識索引の研究:ZBDDを用いてパターンとデータを効率よく主記憶上に格納し,FP-growth(Han等)やLCM(Uno, Kiyomi and Arimura)などの高速パターン発見アルゴリズムをZBDD上に実装した.これにより,本手法が大規模知識索引を用いた高速知識獲得システムの構築のための要素技術として利用できることを実証した. (4)知的情報検索における高速情報検索技術の研究:高速な情報検索のための索引データ構造として用いる接尾字木を一定の制約条件下で効率よく生成するアルゴリズムを開発した. (5)開放分散環境における高度知識処理のためのプライバシー保護機構の研究:暗号化されたデータベースからの高速なキーワード検索アルゴリズムの検討を行い,現在の一般的なアルゴリズムでは,キーワード数nに対してO(n)の検索時間を要している問題に対して,現実的に実装可能なアルゴリズムでは初めて検索時間をO(n/2^m)にできる可能性を見出した.
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