研究概要 |
本研究では,順序付き線形型理論に基づき,XML文書の木構造処理プログラムを効率のよいストリーム処理プログラムに自動変換するための枠組みの確立を目指している.本年度の成果は以下のとおり. 1.XML文書の木構造処理プログラムからストリーム処理プログラムへの自動変換の枠組みの確立 前年度までに確立していた2分木データを対象とした木構造処理プログラムからストリーム処理プログラムへの枠組みを拡張し,XML文書を対象として扱えるようにした. 2.XML用ストリーム処理プログラム生成器X-Pの試作と評価 上記1の枠組みに基づき,XML文書のための木構造処理プログラムからストリーム処理プログラムへの自動変換器X-Pを試作し,評価を行った.その結果,多くの例について1の枠組みが有効であることが確認できた.一方で,いくつかの例について,(1)無駄なバッファリング命令が挿入される,(2)文書型の情報を有効利用できていない,などの問題点が見つかった. 3.バッファリングの自動挿入の改良 ストリーム処理では,入力文書を一定の順序でしかアクセスできないため,上記1の枠組みでは,必要に応じて入力文書をバッファリングするようなストリーム処理プログラムが生成される.上記2の評価実験において,本来必要のないデータまでバッファリングされてしまう例が見つかったため,改良策として,入力木を部分的にバッファリングするための命令を追加し,自動変換の枠組みの再構築を始めた.
|