研究概要 |
本年度には、代表的なデータマイニング手法の中でも特に高い演算性能が要求されるデータクラスタリング(Data Clustering, DC)とニューラルネットワーク(Neural Networks, NN)に着目し、それらの処理を家庭用ゲーム機で効率良く実行するための実装方法について検討した。具体的には,家庭用ゲーム機に搭載されている高性能プロセッサであるCell Broadband Engine(CBE)や、描画処理ユニット(Graphics Processing Unit, GPU)をデータマイニング処理に効果的に利用する方法について研究し、実装と定量的性能評価を行った。 大規模P2Pコンピューティングに関する研究として、ネットワーク上に遍在する膨大な数の遊休計算機資源から、利用者の要望を満たす計算機資源を効率良く検索するための分散型計算資源管理機構について研究した。研究成果として、利用者からの要望には計算機のメモリアクセスの振舞いに見られるような時間的、空間的な局所性が存在し、それらの局所性を利用することで探索効率の飛躍的改善が可能であることが明らかにした。本年度は特に不均質な環境下での資源探索を考慮し、利用される頻度に応じてP2P通信の接続数を自動調整する仕組みについて検討した。また、膨大な数の計算機を連携させるための仕組みとして、完全分散型の動的負荷分散機構についても研究を進め、その基本制御方式を設計した。 耐タンパー性計算による安全・安心な分散データマイニングシステムをボランティア計算基盤に実現するための準備として、本年度は開発環境の構築を行った。また、関連資料を収集するとともに、関係者との議論を行った。
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