研究概要 |
近年,World Wide Web上の検索エンジンを使って,様々な調べ物や探し物をすることが日常化している.しかし,Web上の情報とは統制がないため,必要な情報だけを選別し,複薮の情報を結び付けて解を見出すことはユーザにゆだねられている.この問題を解消することを目的として,本課題は,既存の情報検索を超える知識検索の技術について研究を行った. 本研究が目指す「知識検索」とは,Webに潜在しているにも拘らず,「単純なキーワードやカテゴリでは見つけることが難しい「人々の知識」を取り出す作業である.そのためには,何らかの方法でWeb情報を体系化する必要があると考えた. 既存のマニュアル(操作説明書)は,「チュートリアル」,「リファレンス」,「用語集」,「トラブルシューティング」の4点で構成されている,これは物事を分かりやすく解説するためのモデルである.本研究は,この点に着目し,上記4つの観点からWeb情報の体系化に取り組んだ.すなわち,困った状況にあるユーザに対して,問題解決となる「ノウハウ(know-how)」の検索について研究を行った.また,ある事柄に関するノウハウを調べた後で,その事柄に詳しい人物を見つけたい場合がある.そこで,誰に聞けば詳しく分かるのかといった「ノウフー(know-who)」の検索についても研究を行った. 知識検索の実現には,GoogleやYahoo!などの商用サービスで提供されているようなWeb頁検索をミドルウェアとして利用し,上層の技術について研究する必要がある.他者のサービスに依存せずに研究を進めるためには独自の基礎技術を有することが重要である.そこで,Web検索基盤についても取り組み,検索質問の自動分類手法を提案することでWeb検索の制度を向上させた.
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