研究課題/領域番号 |
18049010
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
久野 義徳 埼玉大学, 大学院理工学研究科, 教授 (10252595)
|
研究分担者 |
山崎 敬一 埼玉大学, 教養学部, 教授 (80191261)
|
研究期間 (年度) |
2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2006年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
|
キーワード | 介護ロボット / エスノメソドロジー / 会話分析 / 相互行為分析 / ヒューマンインタフェース / 非言語コミュニケーション / 行動認識 / コンピュータビジョン |
研究概要 |
高齢化社会をむかえ、介護が大きな問題になってきている。介護を受ける高齢者や身体の不自由な方は、IT機器の操作にも困難を覚える場合が多い。機器の操作というのは、基本的には機器にしてもらいたいことを伝える依頼である。一方、長くつきあっている介護者に対しては、簡単に、あまり言葉を用いなくても依頼ができているように思われる。これは、介護者が被介護者の日常生活をよく知っている、その非言語的行動の意味することがよくわかる、周囲の状況や介護者の行動からその場面で何をしたいかがわかるなどのためだと思われる。本研究では、実際の介護場面の映像・音声情報を得て、それを社会学のエスノメソドロジーの会話分析・相互行為分析の手法により調べ、先に推察したようなコミュニケーションを円滑にしている介護者の利用情報を明らかにする。そして、そこで得られた知見を検討し、介護機器、特に介護ロボット用のヒューマンインタフェースに必要な機能を検討する。 本年度は、高齢者介護施設で許可を得てビデオを撮影した。そのビデオデータの会話分析・相互行為分析により、以下のことがわかった。(1)多くの作業は、高齢者(被介護者)と介護者間で協同的に達成されている。(2)協同作業は、高齢者と介護者双方の予期的な調整行為の相互参照によって可能になる。(3)この予期的な調整行為は、成員それぞれが、他者の参与を可能にするような姿勢をとったときに行われる。 この分析結果から、人間を見るだけでなく、人間に、人間が適切な状況のときに、適切な行動を見せること、そして、この「見る・見せる」を繰り返しながら意図を推察していくことを検討すべきであることがわかった。今後は、このような枠組みで人間と意思伝達の行えるロボットを開発し、その有効性を検討して行く予定である。
|