研究概要 |
1.マルチモーダルなデータの統一的な記述手法 光学式モーションキャプチャシステム・筋電位計および床反力計からの人間の運動を計測する.計測データから多数の関節・筋肉・腱から構成された大自由度筋骨格モデルによる逆運動学・運動学に基づき被験者の関節角度・筋腱張力を推定する.マルチモーダルな推定値の高次元ベクトルの時系列データとし人問の運動を表現する記述方法の成果をあげた. 2.マルチモーダルなデータの抽象化 マルチモーダルな時系列データに対して,頻繁に出現する時系列パターンをヒトの運動パターンとして分節化する手法を考案した.この分節化手法を用いて切り出された運動データを確率・統計モデル(隠れマルコフモデル)により自己組織的な学習戦略を通じて運動パターンを低次元化・抽象化して記号として蓄積でき,さらに記号を用いて運動パターンを認識・生成可能なシステムを構築した. 3.運動データベースの構築 上述で獲得した記号の類似度および記号の出現規則をモデル化した記号ネットワークを形成する.また,計測した運動データに対して人間が運動ラベルを付与し,そのラベル間のネットワークを確率的に記述する.さらに記号ネットワークとラベルネットワーク問も結び付いた運動データベースを構築した. 4.運動データベースの実用性 記号ネットワーク,運動ラベルネットワークおよび記号-運動ラベルネットワークの形成より,特定の言語ラベル入力に相当する運動データの検索および生成が可能となり,これまで困難であった計測済み運動データの再利用が可能となる成果をあげた.さらに,計測した運動データに対して記号に基づく運動認識を通じて自動に運動ラベルが付与されることも可能である.
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