研究課題/領域番号 |
18049024
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 隆一 東京大学, 大学院情報学環, 助教授 (10191462)
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研究分担者 |
大江 和彦 東京大学, 医学系研究科, 教授 (40221121)
田中 勝弥 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (00361486)
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研究期間 (年度) |
2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
2006年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | 健康情報 / 生涯利用 / プライバシー / 自己決定権 / 電子化 / スマートガード |
研究概要 |
医療機関で取得される診療情報は一般の患者が想定するよりきわめて多量であり、従来は省略・要約を行い簡潔な形式で提供されていたが、電子化の進行に伴い、客観情報はすべて提供できるようになることが期待できる。第三者による保管が普及する可能性はあるが、診療情報の主権者である患者の判断で行われなければならない。つまり少なくとも一度は患者に対して提供され、患者は大量の診療情報に関して一定の理解をし、一時的にせよ管理を行うために情報へのアクセスの制限を行う手段が提供され、それを患者がコントロールできる必要がある。これらの問題が解決されない場合には自身の取得する診療情報の爆発的増加と管理の破綻が生じる恐れがあり、被害を受ける可能性も否定できない。先進各国では生涯利用可能な健康情報データベースの構築に取り組んでいるが、このような問題に取り組んだ研究はない。方法として医療機関に対して提供可能な電子化情報の種別および標準化の程度に関するアンケート調査を行った。電子化診療情報の媒体による提供およびネットワークによる提供における患者によるアクセス制御に関して利用可能な技術のサーベイを行い、医療文書の包括的な暗号化規格、電子署名規格を策定し、医療分野の標準化団体であるHELICS協議会に提案した。フランスで患者の情報を法律に基づいて政府が一括データベース管理するプロジェクトが2007年に開始されるので、その主体であるパリのGIP-DMPを訪問しJaque Salutes所長に当該プロジェクトの進捗状況と患者によるアクセス制御についてインタビュー調査を行った。CD-R等の媒体ベースの情報提供に関してはその真正性、セキュリティについて一定の成果があった。また個人の権利を保障した利用を可能にするためにはフランスの例に見られるようにセキュリティトークンを用いたアクセスコントロール基盤が必須であり、わが国でもこれを整備する必要がある。
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