研究概要 |
我々の先行研究であるタスク並列スクリプト言語MegaScriptを用いた高性能計算プログラムの性能モデルの精度を,特に領域研究項目の中心命題であるスケーラビリティ確保に不可欠な計算環境の階層構造化に対しても向上させることを主眼とし,以下の研究開発を行った. ・階層構造環境に適合したモデル化:階層的なネットワーク環境における通信性能の高精度モデル化を課題とし,従来の方式に比べて大幅にモデル誤差を削減した. ・広域環境における階層的タスク実行/スケジューリング:広域環境でのタスク並列実行でボトルネックとなるWAN通信回数の削減を行った実行方式改良を行い,従来の方法に比べて1.7〜2.6倍の性能向上を達成した.また,タスクの階層的スケジューリング手法の構築にも着手した. ・アダプタによる機能拡張支援:スケーラブルな実行で要求されるランタイムシステムの応用適合化を,ユーザレベルのスクリプト記述により簡便かつ低オーバヘッドで実現するアダプタ機構を設計・実装した.
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