研究概要 |
本研究では、現実シーンに情報を重畳表示することで直感的に情報提示が可能な技術である拡張現実感を利用して、世の中に存在する様々な種類の情報の中で,場所に関連付けられる位置依存情報コンテンツの効率的な管理技術の開発を目的とする.拡張現実感はユーザの見ているシーンにCGで様々な情報を重畳して見せることが可能な技術であるため,ユビキタスネットワーク環境下における、場所(ユーザの位置)をキーワードとした情報コンテンツ管理の基盤技術と融合することで,情報爆発時代における新たな情報管理技術として確立することを目指す. 本研究の目的を達成するための第一段階として,拡張現実感技術を用いた位置依存情報コンテンツの登録・更新手法の開発(位置依存情報コンテンツデータベースの構築)を実施した.本研究では,ウェアラブルコンピュータ上で拡張現実感が実現可能な複数のユーザが,ユビキタスネットワーク環境下に存在していることを想定する.提案する手法は,2つのフェーズにより構成される.フェーズ1では,通常の計算機により2次元または3次元地図を用いて情報と関連する位置の対応付けを行い,その後,フェーズ2で,実際のコンテンツの提示位置において、拡張現実合成により表示されたシーンを見ながらコンテンツの提示位置の調整を行う.具体的には,フェーズ1ではユーザは,地図を用いて緯度・経度・高さを指定し,提示位置を決定し,コンテンツの追加を行う.フェーズ2では,コンテンツの配置された実環境内において,自己位置周辺のコンテンツを拡張現実合成された映像を見ながら提示位置の調整を行う.このように、位置依存情報が正しい位置(建物や地名)に関連付けられたデータベースの作成技術が確立されることで,位置情報をキーとした効率的な情報の検索手法の開発に有用であることが確認できた.
|