研究概要 |
本研究では,災害時にRFID (Radio Frequency IDentification)タグを用いて救急や安否の情報を高速かつ高信頼に伝達するための技術を研究した.特に, A.(完全性)伝達される情報が整合性を保ち,損失または改ざんされない B.(現場での完結)作業者が,ネットワーク遅延などの情報環境に影響されず迅速に作業できる C.(平常時の利用)平常時にも使用可能にし,システムのメンテナンス性を高める という要求を解決する技術を開発し,提案技術を理論的に解析するとともに実証的に評価した. 本研究の実績として,以下の1〜3の方式設計と,4の実証実験を密に連携させて行った. 1.完全性を達成するセキュリティプロトコル: RFID情報システムにおいて収集される情報が,損失または改ざんされないような,RFIDを利用した情報伝達のプロトコルを設計した.これについて,RFIDを用いたシステムの個人情報の漏洩防止と信頼性の確保の問題に取り組んだ. 2.データ書き換え可能なRFIDタグを利用した情報管理:作業者がネットワーク遅延などの情報環境に影響されず迅速に作業できるために,作業者の近くにあるRFIDタグを一時的なデータ記憶領域として利用する情報管理の方法と情報伝達のプロトコルを開発した. 3.平常時の利用のためのシステムインタフェース:平常時にもシステムを容易に利用可能にしてシステムのメンテナンス性を高めるため,個人情報の効果的な利用と表示デバイスの利用について課題を明らかにした. 4.システムの実設計と実証実験による有効性の評価:1〜3で構築した災害時のためのRFID情報システム技術を実際的な場で検証し,本研究で得られた成果の有効性と実用性を評価した.
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