研究分担者 |
水本 好彦 国立天文台, 光赤外研究部, 教授 (20219653)
白崎 裕治 国立天文台, 天文データセンター, 助手 (70322667)
大江 将史 国立天文台, 天文データセンター, 助手 (30370109)
高田 唯史 国立天文台, 天文データセンター, 助教授 (10300708)
安田 直樹 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (80333277)
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研究概要 |
ヴァーチャル天文台の研究開発では天文学の新しい研究基盤の構築を目指している。そのためには天文データの共有だけでは不十分で,大規模データを解析して宇宙の新しい知見を見いだす環境を提供する必要がある。そのためワークフロー処理機構の研究開発を集中的に進めた。まず,ビジネス向けのワークフロー言語であるBPEL4WS(Business Process Execution Language for Web Services)を参照しながら天文解析に必要なワークフロー記述言語(WFDL)を定義した。BPEL4WSはビジネス向けに定義されたものであるが,これに天文学研究で必要とされる機能(解析プログラムにパラメータを渡す,ループ処理や異なる天空域のデータを独立に並列処理できる,等)を実現するようタグ定義を拡張し,研究開発効率を高めることができた。WFDLで記述された各処理ステップは,まず,JavaインタプリタであるGroovyに変換され,GroovyスクリプトをJavaスクリプトに変換された後に実行される。これにより世界各地の解析サーバで実行できるワークフロー実行が可能となる。Java/Groovyを用いたのは,実行されるプラットフォーム依存性を排除するためである。 ワークフローの各ステップは適切なサーバで実行される必要がある。このため,使用可能なサーバの状況をMDS(Monitor and Discovery Service)サーバが常にモニターし,ワークフローを解釈するポータルからの問い合わせに応じて適切なサーバを通知するようにした。ポータルはその情報に基づいて実際にジョブを解析サーバに投入する。処理が終わると終了情報がポータルに通知されて次のステップに進む。モニター画面のスナップショットを示す。この画面は自動的にリフレッシュされ,ユーザーは容易にワークフローの進行状況を把握できる。その後,利用者は最終結果を受け取ることとなる。
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