研究課題/領域番号 |
18050003
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐竹 正延 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (50178688)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
2007年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2006年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 小胞輸送 / ArfGTPase / ArfGAP / クラスリン / エンドサイトーシス / Eカドへリン |
研究概要 |
Eカドヘリンは、上皮細胞の接着結合において、中心的な役割を果たしている接着因子である。上皮細胞の細胞間結合が乖離し、間葉系の細胞のような特徴をもった細胞に性質転換するEMTにおいて、エンドサイトーシスによる細胞内への取り込みが亢進されることによって、細胞表面におけるEカドヘリン量を低下させる。SMAP1はARF6に特異的なGAPであり、その一次構造にクラスリン重鎖と結合できる結合モチーフを有し、ARF6が制御するクラスリン依存的に細胞内をリサイクルしている因子のエンドサイトーシスに関わっている。本研究ではSMAP1がEカドヘリンのエンドサイトーシスに関与しているかどうか、他のARF6GAPであるGIT1とAMAP2/PAG3も含めて検討した。MDCK細胞をTPA存在下でEカドヘリンのエンドサイトーシスを充進させたところ、SMAP1の野生型もしくはGAP活性が欠失したR61Q変異体を過剰発現している細胞ではEカドヘリンの取り込みが顕著に阻害されていた。一方、AMAP2、GIT1双方に関しては、有意な阻害効果が認められなかった。これより、ARF6GAPのうちSMAP1が、MDCK細胞におけるEカドヘリンのエンドサイトーシスを制御していることが示唆された。また、長時間TPAで培養させEMTを誘導させたところ、SMAP1を過剰発現させた細胞において、Eカドヘリンの取り込みが阻害されたため、細胞同士が乖離しにくくなっていた。そこで、Boyden chamber法により細胞運動能を評価したところ、SMAP1の野生型もしくはR61Q変異体を過剰発現している細胞の運動能が著しく低下していた。Eカドヘリンは、その輸送経路にクラスリンもしくはカベオラ小胞を用いる。そこで、SMAP1がカベオラ小胞のエンドサイトーシスに関係しているかどうか、カベオラ依存的に細胞内へと取り込まれるBSAを用いて検討したところ、SMAP1はBSAの取り込みには何ら影響を与えなかったため、カベオラの系にはSMAP1が関与していないことが示された。このことから、MDCK細胞におけるEカドヘリンのエンドサイトーシスは、SMAP1に制御されるクラスリン依存的な経路で細胞内へと取り込まれていることが示唆された。
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