研究課題/領域番号 |
18050020
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤永 由佳子 大阪大学, 微生物病研究所, 特任准教授 (60252954)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
2007年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2006年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | ボツリヌス毒素 / 腸管上皮細胞 / transcytosis / tight junction / paracellular |
研究概要 |
前年度までに、ボツリヌスHAに上皮細胞間バリアを破壊する新規活性があること、およびこの活性により大量の神経毒素が腸管上皮細胞間隙から流入することが明らかになった。そこで本年度は、本活性のメカニズムをさらに詳細に解析するとともに、マウスin vivoにおいて、本活性の発現および、神経毒素の腸管吸収における意義を解析した。 1)HAの上皮細胞間バリア破壊機構の解析 16S毒素よりNAP-16成分(HAとNTNHの複合性)を単離し、以下の実験に用いた。NAP-16のTER低下活性をapicalから添加した場合と、basolateralから添加した場合で比較したところ、basolateralから添加した場合、apicalから添加した場合よりも少ない用量で作用を示し、作用を発現するまでの時間も短いことが観察された。このことからHAの作用点はbasolateral側細胞膜上にあることが推察された。抗HA抗体をbasolataral側に添加する実験系により、HAの作用点がbasolateral側細胞膜上にあることが明らかになった。したがって、16S毒素はまずapicalからtranscytosisによりbasolateral側へ移行し、basolateral側から細胞間接着を破壊し、その後細胞間隙から大量の神経毒素が流入する3stepメカニズムにより、巧妙に腸上皮バリアを通過していることが示唆された。 2)in vivoでの本活性の発現 マウス結紮腸管を用いて、HAを各種分子量のFITC-dextranと同時に添加した場合、HAによるFITC-dextranの体内移行が顕著に増大した。HRPや12S毒素の体内移行もHAは促進した。従って、HAはin vivoにおいても腸管上皮細胞間バリアを破壊することが明らかになった。
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