研究課題/領域番号 |
18052004
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
HEISSIG Beate 東京大学, 医科学研究所, 産学官連携研究員特任助教 (30372931)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
2007年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2006年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | マトリックスメタロプロテイナーゼ / プラスミノーゲン / 線維素溶解系 / プラスミン / Kit-ligand / ADAM12 / ADAM17 / アディポジェネシス / プラスミノーゲンアクチベータ受容体 / マトリックスメタロプテイナーゼ / 顆粒球コロニー刺激因子 / 血管新生因子 / ケモカイン / トロンボポイエチン |
研究概要 |
本研究ではマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)を含むADAMsプロテアーゼファミリーに属する酵素群及びこれによってプロセシングされるサイトカインによる生体内アディポサイトの成熟分化制御機構及びアディポジェネシスにおける微小環境(ニッチ)の全容解明を目標とし、特にMMP-9ないしはADAM12とADAM17のアディポジェネシスにおける機能解析を主目的としている。今年度の研究で研究代表者らは、生体内のストローマを主とした微小環境において潜在酵素ProMMPからのMMPの生成が、セリンプロテアーゼの一種で線維素溶解系(線溶系)因子であるプラスミノーゲン(Plg)/プラスミンによって制御されていることを確認した。さらにMMP-9及びPlg遺伝子欠損マウス(Plg-/-)ないしはMMP阻害剤投与群では高脂肪食負荷による脂肪組織増加が、野生型と比較して有意に抑制されていること、またこれらの遺伝子欠損マウスでは組織再生に著しい障害が存在し、Plg-/-生体中のストローマで、MMPの活性化障害とこれに伴う細胞増殖因子Kit-ligandのプロセシングが有意に抑制されていることを明らかにした。また、これらの群の脂肪組織から採取した細胞ではADAM12及びADAM17のmRNAの発現が有意に低下しており、これらの実験結果から、MMP及びADAMsのアディポジェネシスにおける重要性が示唆された。加えて代表者らは、組織型Plgアクチベーターの投与が、MMPの活性化、Kit-ligand分泌の亢進を誘導し、生体内の骨髄細胞の分化増殖を促進することを示した。以上の研究成果は、プロテアーゼの活性化がサイトカイン分泌促進を介して組織形成を誘導する可能性を示したものと考えられ、現在ADAMsプロテアーゼの強制発現系あるいはノックダウンが生体内アディポジェネシスに与える影響について精査中である。
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