研究課題/領域番号 |
18053013
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
平田 普三 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教 (60402450)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
2007年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2006年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 変異体 / 運動 / 分子生物学 / 発生生物学 / 電気生理学 / 神経 / 行動 / グリシン受容体 / シナプス |
研究概要 |
脳神経回路において、グリア細胞は数にしてニューロンの約10倍あると言われている。近年、グリア細胞が神経回路に不可欠の役割を果たしていることが分かり、回路の理解にはニューロンとグリアから成る巨大なネットワークを研究することが重要であると言われるようになった。研究代表者はグリア細胞の異常による神経回路網の破綻、それによって引き起こされる運動・行動の異常をゼブラフィッシュをモデル動物として研究している。グリア細胞で発現するグリシントランスポーター1変異体は逃避運動が持続せず、ピンセットでつつくなどの触刺激を与えると本来なら数秒泳動するところを0.5秒程度しか運動しないという表現型を示す。変異体ではシナプス間隙に過剰のグリシン分子があり、グリシン作動性抑制伝達が増えていた。グリシン受容体の阻害剤であるストリキニンを作用させてグリシン作動性伝達を弱めることで正常な運動が回復することから、変異体ではグリシン作動性伝達が急性に亢進していることが確かめられ、これはグリア細胞による神経回路ネットワーク制御の一端をになうものである。一方、正常胚にストリキニンを作用させるとグリシン作動性伝達が減少することで異常運動が観察された。ストリキンンを作用させることでシナプス伝達が阻害されるだけでなく、受容体凝集も阻害されることから、この効果は慢性であるといえる。また、ゼブラフィッシュに阻害剤を作用させるという簡単な実験から活動依存的シナプス形成を研究する実験系ができると期待される。
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