研究課題/領域番号 |
18053021
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
稲津 正人 東京医科大学, 医学部, 講師 (00297269)
|
研究分担者 |
武田 弘志 東京医科大学, 医学部, 兼任教授 (70206986)
田島 裕久 東京医科大学, 医学部, 助教 (50306833)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
2007年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2006年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
|
キーワード | アストロサイト / コリン / トランスボーター / Na^+ / H^+交換輸送体 / グリア細胞 / 神経芽細胞腫 / オリゴデンドロサイト / ミクログリア / カルニチン / トランスポーター / アセチルコリン / 血管内皮細胞 |
研究概要 |
コリンは、細胞膜の構成成分であるフォスファチジルコリンやスフィンゴミエリンなどの合成に必要な分子であり、細胞膜の構造および機能維持に重要な役割を担う有機陽イオンである。また、神経伝達物質アセチルコリンの前駆物質でもあり、コリン輸送機構はコリン作動性神経活動の律速段階として機能していると考えられる。現在、コリントランスポーターは、生化学的特徴より2つのタイプに分類されている。1つは、ナトリウム依存性のコリン取り込み機構を有し、主にコリン作動性神経に発現する高親和性コリントランスポーターのCHT1が知られている。もう一方のコリントランスポーターは、ナトリウム非依存性のコリン取り込み機構で、その発現はユビキタスであり分子的実体は明らかにされていない。そこで、我々はコリン輸送機構を「血液脳関門-グリアー神経回路網」における重要な機能として位置づけて研究を進めた。アストロサイトには、新規のcholine transporter-like protein 1 (CTL1)が機能発現し、コリンや有機カチオン系化合物の輸送に関与していることを明らかにした。また、CTLIは、アストロサイトのみならずオリゴデンドロサイトに高発現しており、ミエリン形成と連動していると考えられる。さらには、海馬の錐体細胞、歯状回の顆粒細胞、小脳の顆粒細胞層および運動神経にも存在が認められており、神経系においても多彩な生理機能を有していることが推察される。脳内のコリンは血液から供給されることより、微小脳血管内皮細胞へのコリン取り込みについて検討した結果、CTL1を介して脳内に輸送されることを見出した。更に、ミクログリアや神経芽細胞腫にもCTL1が機能発現しており、これらの細胞における新たな役割が注目される。このCTL1を介するコリン取り込みは、細胞外Na^+およびpHの影響を受ける事が明らかとなり、コリン輸送は水素イオンとの交換輸送である事が示唆され、Na^+/H^+交換輸送体と機能共役の関係にあると考えられた。
|