研究課題/領域番号 |
18053022
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
加藤 総夫 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (20169519)
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研究分担者 |
井村 泰子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (90419739)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2007年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2006年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | アストロサイト / プリン受容体 / caged ATP / GFAP-GFPマウス / グリア伝達物質 / 孤束核 / シナプス伝達 / パッチクランプ / エクトヌクレオチダーゼ |
研究概要 |
シナプス前プリン受容体がシナプス近傍のアストロサイトから放出されるATPによって活性化される可能性を延髄孤束核の脳スライス標本を用いて検討した。 1.GAFP-GFPマウスを用いて、アストロサイトへの選択的パッチクランプ法によってアストロサイト・ネットワークの空間的広がりと電気生理学的性質を解析したところ、ギャップ・ジャンクションを介したdye-couplingは2〜3個にとどまる一方、突起の伸張が水平方向(吻尾内外側)に多く、背腹側方向には少ないという空間的特徴が見出された。脳幹水平断および冠状断切片でのGFAP染色像の2次元フーリエ解析によっても同じ結論が得られた。この結果は、孤束核アストロサイトが背腹方向の層的な支配域をなしてニューロンとのコミュニケーションを図っている可能性を示す。 2.テトロドトキシン潅流下、脳幹スライス孤束核小型ニューロンから微小興奮性シナプス後電流 (mEPSC)を記録し、caged ATPとlaser photolysis法を用いた時間・空間限局的ATP投与を用いて、シナプス前P2X受容体の局所的活性化が即時的グルタミン酸放出を誘発する事実を示した。 3.GFAP-GFPマウス孤束核におけるX-Rhod-2AMを用いたCa imagingによって、2mSADPがアストロサイト選択的に細胞内Ca^<2+>濃度を上昇させる事実を見出した。以上より、アストロサイトからの局所的ATP放出が直接的にシナプス前P2X受容体を活性化させて内臓一次求心線維からのグルタミン酸放出を誘発する可能性が示された。
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