研究課題
特定領域研究
ウイルスが宿主に感染するとそれを感知して一連の反応が引き起こされる。重要な反応としてはインターフェロン系の誘導が古くから知られている。このシステムを用いて様々な細胞においてRIG-Iの活性化を行い、活性化される遺伝子群を新規DNAアレイにより網羅的に解析した。このアレイには自然免疫機構に関連の深い228遺伝子が貼付けてある。細胞としては上皮系(HeLa、Hec1B)、ヒト末梢血単核球(PBMC)、B白血病細胞(Namalwa)、T白血病細胞(Jurkat)、マクロファージ前駆細胞(U937)、U373/CD14等を用いた。まず、HeLaとI型インターフェロン受容体を欠損するHecIBの結果からは、RIG-Iシグナルによって直接活性化される遺伝子群といったん産生されたインターフェロンによって活性化される遺伝子群がある事が判明した。PBMCをセンダイウイルス感染によって活性化したところ、顕著にインターフェロンα遺伝子の活性化が見られる。同様な事はNamalwa細胞でも観察された。またT細胞株であるJurkatではインターフェロン遺伝子群の発現が弱く観察されるのみであった。JurkatをTPA/PHAで刺激をした場合にはインターフェロン関連の遺伝子とは異なった一群の遺伝子が強く活性化された。U937細胞はRIG-Iシグナル、あるいはTPA刺激単独では弱い遺伝子活性化が見られるのみであったが、両者を同時に活性化することにより、相乗的なインターフェロン遺伝子の活性化が見られた。TPAは単独でIRF-7遺伝子を活性化するがインターフェロン遺伝子の活性化を誘導しない事から、マクロファージ系でのシグナルのクロストークが強く示唆された。U373/CD14はLPS刺激によってインターフェロン遺伝子が活性化される。RIG-Iの刺激とは異なる遺伝子が活性化される事がアレイの結果から示された。以上のように我々の開発した自然免疫アレイは関連する遺伝子群の網羅的解析に非常に有用である事が判明した。
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