研究課題/領域番号 |
18056012
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
青山 卓史 京都大学, 化学研究所, 准教授 (80202498)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
2007年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2006年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 根毛 / 細胞形態形成 / ホスホリパーゼD / ホスホイノシチド / PIP2 / PIPキナーゼ / リン酸 / 細胞内シグナル伝達 |
研究概要 |
根毛伸長の正の制御因子であると考えられるPIP5キナーゼ、PIP5K3の機能解析を進めた。T-DNA挿入型変異体の独立な系統を4系統に増やし、根毛の形態的変化を観察した。その結果、それら変異体の根毛は伸長において抑制されているが、それ以外に異常な形態は見られないことが明らかになった。変異体遺伝子および転写産物の構造解析の結果より、それらの内少なくとも2つでは機能的なタンパク質が殆ど発現していないことも判明した。これらのことから、PIP5K3以外のPIP5Kが根毛で機能していること、およびPIP2の量的変化は根毛伸長に特異的に影響を与えることが示唆された。このことは、PIP5K3の過剰発現により根毛伸長が促進されること、および伸長の活発な根毛ほど先端にPIP5K3-YFPが多量に存在することと併せて、根毛先端のPIP2の量が根毛伸長の重要なパラメーターとなっていることを強く示唆するものである。 PIP5K3の細胞内局在性を詳しく調べるためにPIP5K3-YFPを発現する根毛をFM4-64で短時間処理し、YFPとFM4-64の多重蛍光観察を行った。その結果、PIP5K3-YFPが最も強く局在する部位は根毛先端の細胞膜であることが確かめられた。 誘導的過剰発現実験の結果、PIP5K3の過剰は根毛伸長の促進以外に根毛の歪曲、および単一の表皮細胞からの複数の突起の形成をもたらすことが観察された。また、PIP5K3-YFPは根毛突起が全く見られない未熟な根毛細胞においても、根毛突起が予定される場所に局在することが明らかとなった。これら2つの結果は低分子Gタンパク質ROP2を用いた同様の実験で報告されているものと酷似しており、PIP5K3とROP2が同一の径路で根毛形態形成の制御に関わることを強く示唆している。
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