研究課題/領域番号 |
18057013
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
河村 悟 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 教授 (80138122)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
2007年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2006年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 桿体 / 錐体 / トランスデューシン / RGS9 / GTP / 視細胞 / 光受容 / G蛋白質 |
研究概要 |
脊椎動物視細胞には桿体と錐体とがあり、両者は共同して我々の視覚系を担い、光の検出に関わっている。桿体の三量体Gタンパク質であるトランスデューシン(Gt)は活性型視物質で活性化され、cGMPホスポジエステラーゼ(PDE)を活性化することが知られている。一方、錐体にも桿体と相同な三量体Gタンパク質シグナル伝達系が存在する。これまでの研究により、活性型視物質がGtを活性化する効率が錐体では低いこと、また、活性型GtがPDEを活性化する効率は錐体では桿体に比べて低いことを明らかにしてきた。本研究では、このような錐体Gtが関わるシグナル伝達系の効率が桿体に比べて低いのは、どの様な分子メカニズムに起因するのかを明らかにする事を目的としている。平成19年度は下記の成果を得た。 1.生理的条件下におけるGtの寿命の測定 昨年度single turnover assay法により、Gtの寿命(GTPの加水分解)を測定したが、得られたGtの寿命は電気応答の終息と比べると明らかに遅かった。そこで、生理的条件に近い、高濃度のGTP存在下でGtの寿命を測定したところ、時定数は1秒未満となり、電気応答の終息とそれほど違わない結果が得られた。この結果により、細胞レベルの現象をある程度生化学的なメカニズムで説明できることが分かった。 2.錐体Gtの寿命が短い分子的な理由 上記の生理的条件に近い条件でGtの寿命を測定しても錐体Gtの寿命は桿体のGtの寿命よりは短い。その理由として、錐体ではGTPの加水分解を促進する、RGS9やG65の活性が高いことが予想される。そこでRGS9に対する抗体を作成して桿体と錐体とで発現しているRGS9量を定量した。抗体の特異性に未だ不十分なところはあるが、これまでのところ、錐体では桿体の約20倍程度RGS9の発現量が多いことを示唆する実験結果を得ている。
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