研究課題/領域番号 |
18059017
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
木下 専 京都大学, 医学研究科, 講師 (30273460)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
2007年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2006年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 細胞骨格 / 膜骨格 / 拡散障壁 / 膜輸送複合体 / シナプス / 蛍光イメージング / RNAi / 黒質-線条体系 / グリア細胞 / トランスポーター |
研究概要 |
(1)マウスの13種類のセプチン遺伝子のうち成熟脳特異的に発現するSept4を破壊し、網羅的行動解析によってドパミン神経伝達が減弱していることを見出した。これらのことから、ドパミン神経終末のセプチン系がドパミントランスポーターやtSNAREを安定化するスカフォールドとして機能することと、その破綻がパーキンソン病の病態に深く関わることが示唆された。 (2)免疫電子顕微鏡(immunogold法)連続切片像から細胞形状と金粒子の分布情報を抽出してin silico3次元再構築を行い、シナプス近傍やグリア突起の特定の細胞膜ドメインの直下に集積する多様なセプチン・クラスターを同定した。これらの一部はシナプス近傍のグルタミン酸トランスポーターGLASTなどと共局在していた。一方、樹状突起棘起始部にあるものは構造的支持や隣接シナプス間の区画化に寄与する可能性がある。 (3)培養神経細胞の細胞膜直下に集積したGFP-septinに対するFRAP(光退色後蛍光回復)法により、セプチン集合体の安定性が示された。このユニークな特性は細胞膜形状の保持や、膜蛋白質のスカフォールドないし拡散障壁としての役割に適したものと考えられる。RNAiでセプチンを枯渇させた細胞ではsyntaxin-1やGLASTのターンオーバーが亢進することから、(2)で同定されたセプチン・クラスターの一部は特定の膜蛋白質の局在や安定化に寄与するスカフォールドないし拡散障壁と推測される。また、(1)のSept4欠損マウスのドパミン神経ではこの機構が破綻するためにsyntaxin-1やドパミントランスポーターが欠乏するのかもしれない。
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