研究課題/領域番号 |
18059028
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
水島 徹 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (00264060)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
2007年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2006年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | TPO1 / TETRAN / 薬物トランスポーター / NSAIDs / organic anion transporter / アスピリン / NSAIDs感受性 / NSAIDs耐性遺伝子 / MFSファミリー / アニオン性基質 / MATE1 |
研究概要 |
本研究において我々は、酵母TPO1ヒトオーソログであるTETRANのトランスポート活性について種々の検討を行った。その結果、TETRANはヒト組織において腎臓、心臓、前立腺などに発現していることを示し、マウス腎切片を使った解析から、腎臓において、近位尿細管、apical membraneに発現していることがわかった。また、輸送活性の解析の結果、TETRANはNSAIDsを含む種々のアニオン性物質の輸送に与る薬物トランスポーターであることがわかった。以上の結果から、TETRANはこれまでに報告されていない新規なorganic anion transporterであることが明らかになった。 これまでに、NSAIDsの体内動態、及び感受性に薬物トランスポーターが関与することを示す報告はされていない。本研究においてTETRANがNSAIDs輸送を行うことが示されたことから、TETRANの活性や発現量の違いによってNSAIDsの感受性や体内動態が変化し、NSAIDsの抗炎症作用や副作用(細胞障害作用、腎障害作用)が変化する可能性が考えられる。 NSAIDsの副作用のうち、胃潰瘍に次いで頻度が高いものとして腎機能障害が知られているがその機構はほとんどわかっていない。ヒト組織における発現解析の結果、TETRANは腎臓に多く発現しているということ、さらにはTETRANには薬物排出活性があることを考えると、NSAIDsによる細胞傷害とTETRANによる腎尿細管細胞から尿中へのNSAIDs排泄との関連が示唆される。
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