研究課題/領域番号 |
18060006
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
馬場 忠 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (40165056)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
2007年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
|
キーワード | 精子機能 / 子宮上皮細胞 / 受精能獲得 / 子宮卵管接合部 / マウス |
研究概要 |
子宮の細胞外環境と精子機能制御に関して研究を行い、次のような成果を得た。 マウス子宮上皮細胞から分泌されている精子受精能付与に関与する因子(群)を同定するために、まず、ホルモン処理をしたマウスの子宮分泌液タンパク質が精巣上体精子の細胞膜に接着・結合するかどうかを調べた。野生型とTesp5欠損マウス精子とも有意に子宮タンパク質が結合し、いくつかの主要タンパク質を同定した。次に、受精能付与因子が子宮に特異的に存在するのかを調べ、少なくとも血清や肝臓にはこのような因子が含まれないことが明らかになった。この特異性をさらに明確にするために、卵巣摘出したマウスの子宮から分泌液を調製した。この卵巣摘出マウスの分泌液でもTesp5欠損マウス精子の受精能が亢進されたので、受精能付与因子は卵巣由来でないと結論した。ところが正常マウスの卵管液でも受精能亢進が認められたため、同一の因子かどうかは不明であるが、受精能付与因子は子宮と卵管で分泌されていることが明らかになった。 この受精能付与因子の化学構造を明確にするために、Tesp5欠損マウス精子を用いたバイオアッセイ系を確立させ、子宮分泌液からの精製を試みた。それぞれSuperdexゲルとRPaqueous水系ゲルカラムを使用した高速液体クロマトグラフィーを行い、ほぼ均一な状態まで因子を精製することができた。現在、この因子の化学構造を決定しているが、国内外で初めて子宮に存在する精子の受精能付与因子を単離することに成功したといえる。
|