研究課題/領域番号 |
18060040
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
穂積 勝人 東海大学, 医学部, 准教授 (30246079)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2007年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2006年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | Notch / Notch リガンド / 胸腺 / NotchL / 膵臓 |
研究概要 |
報告者はこれまで、免疫系の中心的役割を担うT細胞の分化環境としての胸腺の役割を分子レベルで理解することを目的として、T細胞分化誘導におけるNotchシグナルの重要性と、シグナルを誘導するNotchリガンドについて研究してきた。すなわち、活性化Notch1の強制発現により、胸腺環境に依存せず、単層培養系にてT細胞が誘導されること、Notchリガンド:D111はNotch1を介するシグナル誘導に必須ではないこと、D114の存在がT細胞誘導に十分なシグナルを惹起すること、を報告してきた。 本年度は、D114誘導型遺伝子欠損(D114-floxed)マウスを樹立し、胸腺上皮細胞にてCre遺伝子を発現するFoxN1-Creマウスと交配することにより、胸腺上皮細胞にてDlll4遺伝子欠失を誘導し、T細胞分化における胸腺環境内でのDll4の役割について検討した。Dll4-floxed、FoxN1-Creマウスでは、胸腺上皮細胞にてDll4の発現が完全に消失する一方、血管内皮細胞では正常な発現を認めた。また、胸腺細胞での活性化Notch1断片の保持比率が顕著に低下し、Notchシグナルの減弱が確認できた。同マウスでは、胸腺が胎仔期より低形成傾向にあり、成マウスでも同様であった。こうした性状を反映し、胸腺内ではT系列細胞がまったく分化せず、代わりにB細胞が異常に出現することが明らかになった。さらに、活性化Notch1断片を造血未分化細胞に強制発現させ、Dll4欠損マウスに移植したところ、CD4/8両陽性(DP)期までの完全なT細胞分化が認められた。以上の結果から、胸腺上皮細胞に発現するDll4は、胸腺に移行した造血未分化細胞上のNotch1を介してNotchシグナルを誘導し、T細胞分化を促しつつB細胞分化を阻害することが明らかとなった。
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