研究課題/領域番号 |
18204028
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
舛本 泰章 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (60111580)
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研究分担者 |
池沢 道男 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (30312797)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
49,660千円 (直接経費: 38,200千円、間接経費: 11,460千円)
2007年度: 15,990千円 (直接経費: 12,300千円、間接経費: 3,690千円)
2006年度: 33,670千円 (直接経費: 25,900千円、間接経費: 7,770千円)
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キーワード | InP / 量子ドット / 電子スピン / 核スピン / 励起子 / スピン緩和時間 / スピン偏極 / チャージチューナブル / 荷電励起子 / 円偏光度 / 励起子微細構造 / ハンレ効果 / 超微細構造相互作用 |
研究概要 |
電気バイアスを変えると中性、1電子ドープ、2電子ドープと変化できるチャージチューナブルInP量子ドットを用い、準共鳴励起で、Hanle効果測定によりスピン緩和を研究した、1電子ドープされた時にのみ、Hanle曲線は4.6mTの幅の鋭い負のローレンツ成分を持ち、ドープされた1電子のスピン緩和によるものと同定できる。4.6mTからgT2^*=2.5nsが導かれ、電子のg-因子は1.5からドープ電子のスピン緩和時間はT2^*=1.7nsと導かれる。この値は、超微細構造相互作用を通して、核スピン揺らぎが引き起こす電子スピン緩和として説明される。実際、核スピン揺らぎの有効磁場を円偏光度の縦磁場依存性から求めた値15mTが引き起こす電子スピン緩和として比較的良い一致を示した。 直線偏光による準共鳴励起の下で、量子ドット中の励起状態にアップ・ダウンスピンを等量生成し基底状態からの発光の円偏光度を縦磁場のパラメターとして検出することで量子ドットの励起子のスピン偏極と微細構造準位を明らかにした。チャージチューナブルInP量子ドット中に電子が1つまたは2つドープされている時には磁場の増加とともに円偏光度が単調に変化しており、光励起された正孔がゼーマン準位間で熱平衡化することを表す。中性の時には円偏光度が1.5Tと2.5T付近に共鳴的に極値を持ち変化する。この振る舞いは光学的に不活性と活性な励起子のゼーマン準位が交差・反交差することによると考えられる。2つの異なる励起子の準位がエネルギー的に近くなると寿命が長いので分布が多くなる不活性励起子が右回りまたは左回り円偏光を発する活性励起子と混ざり発光するようになうからである。またこの2つの共鳴磁場の間隔よりInp量子ドットにおけるホールのg因子を1.02と求められる。
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