配分額 *注記 |
31,850千円 (直接経費: 24,500千円、間接経費: 7,350千円)
2007年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2006年度: 24,570千円 (直接経費: 18,900千円、間接経費: 5,670千円)
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研究概要 |
パターン付きマスクを介して紫外線(UV)を照射して,PFPE潤滑膜に凹凸のパターンを形成する方法について,凹凸パターンの形成メカニズムを解明するとともに,パターン形成の最適条件を明らかにした.またトライボ特性評価用に超高感度フリクションテスタを開発した.さらに減耗修復特性を測定して,パターン形成によりトライボ特性の調整が可能であることを明らかにした. 1)分子膜ナノ凹凸の形成メカニズムの解明i)実験的手法:磁気ディスクのDLC表面上に塗布されたPFPE系の3種の潤滑膜(UV官能型Fomblin AM,極性型同Zdol,無極性型同Z)について,UV照射時間の最適値を確定するとともに,各潤滑剤におけるUV照射の効果を比較評価した.さらに,UV照射を利用する2種類の方法(潤滑膜を塗布後にUVを照射,UV照射後に潤滑膜を塗布)の有効性を確認した.ii)分子シミュレーション:スマートモンテカルロ法を採用して,固体表面の凹凸に起因する液体分子との相互作用力の局所的分布が潤滑膜のパターンを形成する可能性を示した.また分子動力学シミュレーションを用いて,極性基と固体分子との相互作用ポテンシャルの局所的分布により,凹凸パターンの形成過程の再現に成功した. 2)ナノ凹凸付き潤滑膜の減耗修復特性の評価実用レベルのAM潤滑膜の摺動実験により,UV照射は減耗を抑圧するとともに,修復特性は損傷されないという長所をもつことを確認した.平行・直交パターンおよびUV全面照射(パターンなし)について,摺動減耗試験を行い,減耗量については,パターン付き≒パターンなし,修復特性については,直交パターン≒パターンなし>平行パターンの関係があることを明らかにした. 3)超高感度フリクションテスタの開発ディスクの回転機構として,空気軸受支持の超低速ダイレクト・リニアドライブモータを,またピンの加重機構として,変位拡大機構付きピエゾアクチュエータを採用したトライボテスタを開発し,凝着力2.5μN,摩擦力4μNの高分解能を実現した.
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