配分額 *注記 |
49,920千円 (直接経費: 38,400千円、間接経費: 11,520千円)
2007年度: 24,440千円 (直接経費: 18,800千円、間接経費: 5,640千円)
2006年度: 25,480千円 (直接経費: 19,600千円、間接経費: 5,880千円)
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研究概要 |
酸化物のモデル系としてMgOおよびZnO基の2元系などを対象に,有限温度での相転移挙動,溶質元素の固溶限の導出,中間相生成の検討という3つの課題を設定し,系統的な第一原理熱力学計算を行うとともに,これを実験により検証した.また圧力依存性についても,計算と実験の両面から検討した.検証実験としては,MgOおよびZnO基の2元系などの様々な酸化物モデル系を対象に,通常の常圧下での高温熱平衡実験,高温高圧下での熱平衡実験,パルスレーザー成膜(PLD)法により合成した過飽和固溶体など準安定平衡相の相分離実験を行った.実験と計算値の齟齬が大きい場合には,理論計算にフィードバックをかけ,計算モデルの精度について検討した. 具体的には,第一原理熱力学法に基づいた計算状態図作成技術を確立させ,網羅的な計算を行った.第一原理フォノン計算により比熱の温度依存性を求め,それを積分してエンタルピー,エントロピー,自由エネルギーを算出した.これにクラスター展開法およびモンテカルロ計算を連携させることにより,固溶体の自由エネルギーを導出した.また,常圧下での高温熱平衡実験,高温高圧下での熱平衡実験,パルスレーザー成膜(PLD)法により合成した過飽和固溶体についてX線回折,X線分光実験を行い,計算結果を検証した.その結果,ZnO-MgO,ZnO-A1_2O_3,Ga_2O_3-MnGa_2O_4固溶体の局所構造の決定やSn-O系における一連のホモロガス構造の存在の予測などの重要な成果が得られた.
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