研究分担者 |
小林 良岳 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助教 (20345424)
中山 健 津田塾大学, 数学・計算機科学研究所, 専任研究員 (40296348)
大須賀 昭彦 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 教授 (90393842)
川村 隆浩 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 客員准教授 (10426653)
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研究概要 |
ソフトウェアシステムが多数のユーザに安定的にサービスを提供し得るようにするためには,機能面だけでなくセキュリティや頑強性などについても所期の特性を持たせなければならない.近年のシステムはコンポーネントを多数用いて実装されるのが通常で,モバイルコード等のように,より流動性の高いコンポーネントが動的にシステムに組み込まれて動作することも増えている.このことは,システム構築時のみならず,実行時においても組み込むコンポーネントの特性をよく把握してから使用すべき事を示唆している.しかし,(1)詳細が明らかでないブラックボックスコンポーネントが多い,(2)使用目的と動作局面によって把握・要求すべき特性が異なり得る等の理由で,コンポーネントの文脈に依存しない網羅的な特性把握は現実的ではない. 本研究課題では,こうした環境におけるセキュリティや頑強性などの特性保証を行なう新しい方式として,エレメント指向開発法を提案した.コンポーネントが動作する特定の文脈における特定の動作局面の特性を捉え,それをそのコンポーネントの「エレメント」と定義し,このエレメントが要求仕様を満足するようにコンポーネントを選択する.すなわち,(1)構築する対象システムでの動作範囲内において,(2)使用するコンポーネントが要求される基準を満たすか否か(コンフォーミティ)を検査する.他の状況におけるコンポーネントの動作は問わない.ソースコードや仕様が利用不可能なコンポーネントの特定動作局面での特性を特定するために,中間コードレベルでの情報流追跡手法を開発し,実験および評価を行なった.
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