研究課題/領域番号 |
18300099
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生体生命情報学
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
岡 浩太郎 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (10276412)
|
研究分担者 |
堀田 耕司 慶應義塾大学, 理工学部, 助授 (80407147)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
16,690千円 (直接経費: 15,100千円、間接経費: 1,590千円)
2007年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2006年度: 9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
|
キーワード | 生物シミュレーション / 神経科学 / 生物物理 / 可視化技術 / 確率シミュレーション / Caイメージング / 開口放出 / システム生物学 / 生体・生命情報学 / シミュレーション科学 / 可視化 / シミュレーション工学 |
研究概要 |
神経および分泌性細胞において、細胞内から特定の物質を分泌する開口放出メカニズムについては広く研究が進められているが、定量的に理解するためのモデルは必ずしも十分に整備されていない。本研究では、(1)開口放出メカニズムを解析するための新規なイメージング技術の開発と、(2)定量的な理解を行うためのモデルの構築を行った。(1)では、開口放出をトリガーする細胞内カルシウム濃度変化と開口放出を定量的にイメージングする系を構築した。蛍光を2光路に分離取得する光学系を構築し、細胞内カルシウム濃度変化を蛍光色素Fura-redで、開口放出はPC12細胞内の小胞に存在するニューロペプチドYを蛍光ラベルすることにより行った。細胞に刺激を加えたところ、一過的な細胞内カルシウム濃度上昇に数秒遅れて開口放出が始まることを、個々の細胞毎に初めて計測することに成功した。また(2)に関しては、従来連続系のシミュレーションが行われていたのに対し、小胞数が極めて少ないことを考慮し、確率事象としてシミュレーションを行うことを検討した。確率シミュレーションで実績があるGillespie法を開口放出シミュレーションに適用し、小胞と細胞膜との相互作用を5つの状態に分けて、その状態間を遷移する様子をシミュレートしたところ、細胞内カルシウム濃度上昇に伴う開口放出現象を再現することに成功した。また最近になって報告されてきている逐次開口放出現象に関しても、本シミュレーションを多段に組むことにより再現可能であることを示した。さらに開口放出を修飾するタンパク質についても考慮し、細胞内セカンドメッセンジャー濃度変化に伴う開口放出現象の増加についても、シミュレートすることができた。これら新規なイメージング技術とシミュレーション技術の組み合わせは、システム生物学の新しい方向性を示すものであり、医学・創薬研究にも資するものである。
|