研究課題/領域番号 |
18300147
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
杉浦 清了 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (10272551)
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研究分担者 |
久田 俊明 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (40126149)
渡邊 浩志 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 講師 (10282500)
山下 尋史 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (50323572)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
12,150千円 (直接経費: 10,800千円、間接経費: 1,350千円)
2007年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2006年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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キーワード | 機械-電気帰還現象 / 心筋細胞 / 電気生理モデル / 不整脈 / 循環器・高血圧 / 生理学 / シミュレーション工学 |
研究概要 |
カーボンファイバーを利用した単一心筋細胞伸展装置を用い長軸伸展を加えた際の膜電位の変化を電位感受性色素の発光によって計測した。2波長測光に基く強度比を評価することにより細胞の位置や運動によるアーチファクトを除外し定量的な電位評価が可能となった。膜電位は伸展の程度に応じて脱分極し20%を超えると活動電位の発生が認められた。活動電位の後半に加えられた伸展は活動電位の延長をもたらした。これらの応答は非特異的な伸展応答性イオンチャンネルのプロッカーであるガドリニウムによって消失し膜電位の変化が伸展応答性イオンチャンネルの反応を介したものであることが示唆された。また電位変化の応答は伸展の大きさだけでなく速度にも依存しておりイオンチャンネルと細胞膜をつなぐ構造の粘弾性が考えられた。さらに伸展応答性イオンチャンネルのイオン選択性を検討する目的で細胞外液のイオン組成を変えて実験を行ったところ軽度の伸展ではカルシウムが主なイオンであり中等度以上の伸展ではナトリウムが電荷の移動の主体となることが示された。また細胞短軸方向の押し込みに対して局所的なカルシウムの上昇が起こることも確認した。これらの知見を既に提唱されている伸展応答性イオンチャンネルのモデルに取り入れ組織レベルでのシミュレーションモデルを構築し検討を行ったところ組織の構造に不均一性を導入することによって伸展による不整脈発生を再現することができた。これらの結果は心不全などの病態における不整脈発生の機序に示唆を与えるものであり、予防・治療法の開発にも役立つものである。
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