研究分担者 |
佐藤 智美 清水建設(株), 施設基盤技術センター, 主任研究員 (00393562)
青井 真 (独)防災科学技術研究所, 地震研究部, 主任研究員 (80360379)
関口 春子 (独)産業技術総合研究所, 活断層研究センター, 研究員 (20357320)
香川 敬生 (財)地域地盤環境研究所, 地球科学研究部門, 統括グループ長 (50450911)
宮腰 研 (財)地域地盤環境研究所, 地球科学研究部門地震防災グループ, 主任研究員 (80450914)
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配分額 *注記 |
13,850千円 (直接経費: 12,500千円、間接経費: 1,350千円)
2007年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2006年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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研究概要 |
西南日本において,発生が差し迫っている南海プレート境界での巨大地震によって,大規模堆積盆地に生じる長周期地震動の高精度な予測を目指し,長周期地震動予測のための震源モデル,地殻構造モデル,堆積盆地地盤モデルの高度化と,地震動予測を行った.まず西南日本での周期2秒程度以上の長周期地震動が卓越する可能性のある地域を既往文献調査,微動調査,強震観測記録の分析によって特定することを試みた.それにより,このようなポテンシャルをもつ地域として大阪平野及び大分平野があげられることがわかった.大阪平野においては,プロトタイプ堆積盆地速度構造モデルを収集し,そのモデルの長周期地震動の再現性を検討した.2004年紀伊半島沖地震や深発地震記録を使って,それらの記録の特徴を再現できるモデルであるかどうかを検証した.2004年紀伊半島沖地震に対しては,卓越周期の再現性は±20%内に収まり,多くの観測点は±10%程度以下であることが示された.大分平野に関しては,強震観測点が寡少であるため,更に微動観測を行い、HVスペクトル比との比較などを行うとともに,2000年鳥取県西部地震の長周期地震動の再現を試み,モデルの妥当性の検証を行った.このようにして構築された震源モデル,地殻速度構造モデルに堆積盆地モデルを組み込み,想定南海地震時の大阪平野や大分平野における長周期地震動シミュレーションを行った.大阪平野では,湾岸地域で最大水平速度が1m/sにも及ぶような地震動が襲う可能性を示し,大分平野を対象としたシミュレーションにおいては,昭和南海地震と同じく,和歌山県沖から破壊が開始した南海地震であれば,大分市湾岸において大阪平野湾岸地域に匹敵する長周期地震動強さの揺れとなること,逆に震源域の西から東に破壊が進んだ場合は,震動レベルは上の場合の1/10程度になることを示し,地震破壊シナリオの影響も非常に大きいことを明らかにした.
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