研究課題
基盤研究(B)
我々は出芽酵母の転写単位の確定を目的に、ベクター・キャッピング法による完全長cDNA解析を行なった。その結果、世界最大の転写開始点(TSS)データを得るとともに、TSSやスプライシングの多様性などの新知見も得て、酵母ゲノムのアノテーションの向上に大きく貢献した(Miura et al. PNAS 2006)。この解析では3,303 ORF上流にTSSが同定されたのに対して、既知遺伝子間領域に由来する転写物、ORF内部にTSSを持つセンス鎖転写物、既知遺伝子に対するアンチセンス転写物が総計で1,865種も見出された。これらは、我々自身や他のグループによるタイリングアレイ実験でも確認された。これらの新規転写物の中から、機能性分子を見出すために、我々が別途作成した転写因子の恒常活性化株から得たタイリングアレイデータやChIP-Chipデータも統合して、転写因子に直接支配されている新規転写単位群を同定した。これらのうち、減数分裂への関与が示唆されたものにつき、遺伝子破壊の手法を用いて、個別に機能解析を進め、このアプローチの有効性を確認した。
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Proc. Natl. Acad. Sci. USA 103
ページ: 17846-17851
http://yeast.utgenome.org/
http://itolab.cb.k.u-tokyo.ac.jp/GCap/