配分額 *注記 |
16,960千円 (直接経費: 14,800千円、間接経費: 2,160千円)
2007年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
2006年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
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研究概要 |
Gタンパク質共役型受容体(GPCR)などの膜タンパク質や核内受容体などの転写因子は,多数のタンパク質と複合体を形成することにより精細な生理的調節を行っていると考えられている。これらの細胞における刺激応答に重要なタンパク質は,微量かつ精製が困難であることから,生体内(in vivo)での機能の動的解析が進んでいない。本研究では,機能を保った膜タンパク質をバキュロウイルスに発現再構成して機能解析する手法を開発し(Sakihama T., J Biotechnol., 2008),また発現バキュロウイルスを利用して機能的な抗体を取得し(Saitoh R. et al., JIM, 2007),低ノイズビーズに抗体を固定化して質量分析計による解析を行うことにより,生体におけるタンパク質相互作用のダイナミズムを解析する手法を開発した。アンギオテンシンII型受容体(AT2)および,AT2に相互作用するタンパク質(ATIP)について,バキュロウイルス免疫によりモノクローナル抗体を取得し,これらの抗体を用いてアンギオテンシンが関わる新規の調節を見出した。膜タンパク質についても作製した抗体により内在性タンパク質のMS解析に成功している。また,サイクリンA2のmRNA安定性に関わるWTAPを見出し,肝臓やすい臓形成に重要なHNF4αについて,高親和性抗体を用いた磁気ビーズによる親和性精製MS分析法を確立することによって,10cmディッシュ1枚から内在性HNF4αを同定できること,100種類を超える相互作用候補タンパク質を同定できることを国内外の学会で発表した。微量内在性タンパク質を高感度に同定することにより,これまでの強制発現系とは異なる調節のダイナミクスが解析できることから,さまざまな疾患の病態や薬理作用に関わるタンパク質修飾,相互作用解析において強力なツールになると考えられる。
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