研究課題/領域番号 |
18320008
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
盛永 審一郎 富山大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (30099767)
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研究分担者 |
加藤 尚武 鳥取環境大学, 大学院・環境情報学研究科, 客員教授 (10011305)
飯田 亘之 帝京平成大学, ヒューマンケア学部, 教授 (90009663)
今井 道夫 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70048130)
忽那 敬三 千葉大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (70192028)
坂井 昭宏 桜美林大学, リベラルアーツ学群, 教授 (20092059)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
12,200千円 (直接経費: 10,700千円、間接経費: 1,500千円)
2007年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2006年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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キーワード | 人間の尊厳 / ヒト胚研究 / 生命権 / ヒト胚の身分 / 外延的戦略 / 内包的戦略 / パーソン論 / 安全主義 / 生命の尊厳 / 生命の神聖性 / 生命の畏敬 / 個人の尊厳 / 終末期の意思決定 |
研究概要 |
現在の生命倫理の対立状況について、胚性幹細胞研究と人間の尊厳という対立状況を例示しながら概略を提示した。現在の状況は、パーソン論が胚研究に賛成し、human being論が胚研究に反対している。「人間の尊厳」と胚研究は両立不可能とする議論は、「外延議論」のいくつかと「安全主義」である。安全主義は、ロールズに基づく理論としても成り立ちうる。「正義に適う制度に対するリスク論」である。しかしこの安全主義に対しては同じくロールズに基づく「値域特性(range prbperty)」論と「潜在性の位階論」からの批判がある。これらの見解を紹介した。また、人間の尊厳を、「個人の尊厳」と「種の尊厳」に分けて、前者を強い概念、後者を弱い概念とする論、「人間の尊厳」と「人間の権利」を同等であるが、同一ではないとし、胚研究を両立可能とする内包的見方を紹介した。 昨年12月26日に京都女子大で開催されたシンポジウム「対立克服に向けて」の提題発表論文3編を掲載した。忽那氏の論文冒頭にあるように、結局は、「克服ということがむしろ不可能なのではないか、つまり、対立はあくまで対立として残らざるをえないし、そうだとすれば対立の克服を安易な仕方で試みることよりも、むしろ当の対立状況に踏みとどまりつつ、対立する所以を多面的に解明する幾多の試みこそが求められているのではないか、それが少なくとも現時点で「対立状況の克服に向けて」なしうる最大限のことではないか」ということだと、私も思う。従って、今後はこの対立する所以を多面的に解明することにむけて研究を進めていきたい。 尚、このほかに、平成18年度と19年度末にそれぞれ研究成果として,研究会報告を中心とした資料集を刊行した。 (1)生命倫理研究資料集、平成19年3月12日刊行、総計271+ivページ (2)続・生命倫理研究資料集I,II、平成20年3月11日、総計413+xページ
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