研究課題/領域番号 |
18320120
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
西洋史
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西川 杉子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (80324888)
|
研究分担者 |
勝田 俊輔 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (00313180)
大峰 真理 千葉大学, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (70323384)
杉浦 未樹 東京国際大学, 経済学部, 准教授 (30438783)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2009
|
研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
|
配分額 *注記 |
20,530千円 (直接経費: 16,600千円、間接経費: 3,930千円)
2009年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2008年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2007年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2006年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
|
キーワード | 西欧史 / 西洋史 / ネットワーク / 西洋近世史 / 宗教 |
研究概要 |
従来の研究では、ヨーロッパ「近世」の前半(1648年ウェストファリア講和条約頃まで)は宗教戦争の時代とみなされているのに対し、「近世」の後半は、いわゆる主権国家体制が前提とされ、各国ごとに世俗化した啓蒙主義の伝搬が説明されてきた。本研究は、近世後半に顕著になった変化として、(1)政治社会における宗教の位置づけの変化、(2)国家領域を超えた人や集団の結合が領域国家の政治的歴史展開のなかで果たした役割の変化、(3)商業空間の急激な拡大とその質的変化という、三つの歴史的展開を重視し、これらの展開を一国史の枠組みに基づいた内的発展に限定してみるのでなく、国家領域にとらわれない宗教的・政治的・経済的ネットワークの観点から具体的に検討を試みた。また時代はナント王令廃止(1685)と名誉革命(1688-89)という二つのヨーロッパ規模での事件がおこった1680年代に焦点をしぼることにより、ヨーロッパ的連関と英蘭仏のみならずスペイン、ポーランドやスイスなどより多くの地域の比較をあきらかにしようとした。そして13名の研究分担者・研究協力者の協力を得て、2009年3月21日には、国際シンポジウムRethinking the Glorious Revolution in a European Context(基調報告はバンゴール大学トニ・クレイドン教授およびレイデン大学ダヴィド・オネキンク専任講師)、2009年12月19日には、シンポジウム「1680年代から近世ヨーロッパを視る-政治・宗教・商業空間の転換とネットワーク-」(基調報告は本科研のメンバー)を開催した。また研究成果の一部として、科研参加者たちの論考を東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻紀要『Odysseus』第14号別冊1(2010年2月刊行)にまとめることができた。一国史をこえた近世ヨーロッパ像の構築はまだ大きな課題を残しているが、本研究はこれらの研究成果によって、ナショナルとトランスナショナルな側面をあわせもつ「近世」像を提示することができたのではないかと考える。
|