研究課題/領域番号 |
18330150
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床心理学
|
研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
余語 真夫 同志社大学, 文学部, 教授 (90247792)
|
研究分担者 |
鈴木 直人 同志社大学, 文学部, 教授 (30094428)
佐藤 豪 同志社大学, 文学部, 教授 (90150557)
|
連携研究者 |
大坊 郁夫 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (50045556)
大平 英樹 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (90221837)
丹野 義彦 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (60179926)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2008
|
研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
|
配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,200千円)
2008年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2007年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2006年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
|
キーワード | 感情 / 感情制御 / 認知 / 花 / いけばな / 筆記 / 抑制 / 情動 / ワーキングメモリ / 健康 / 抑圧対処 / 感情表出 |
研究概要 |
本研究ではネガティブ感情体験の扱い方(処理様式)が生物学的状態や心理行動に与える影響を調べる複数の実験を実施した。主な知見は(1) ネガティブ感情の処理様式は「自我統合性」「調律」「外在化」「侵入」「回避」「解離」「抑制」「統制効力」という8つに類型化され、いずれの様式が優勢であるかという点で個人差が存在すること、またなかでも「抑制」が実際のストレス負荷状態からの自律神経系の回復を遅延させること、(2) ネガティブ感情経験に関する思考は実行機能(ワーキングメモリ機能)を低下させるが、ネガティブ感情経験の思考を阻止(抑制)することが特に実行機能の低下を導くこと、一方、ネガティブ感情経験の筆記による言語化の促進は実行機能を改善すること、(3) ネガティブ感情経験に一定のポジティブな価値をおく人々は日常生活におけるネガティブ感情の経験と表出が柔軟に示されること等である。また、(4) ネガティブ感情経験に向き合い受容するための適応的かつ効果的な方法として「花」を見つめ触れること、あるいは「いけばな」制作が役立ちうることを明らかにした。これらの研究結果は、ネガティブ感情を無視したり単純に抑え込むことが効用よりも弊害をもたらすこと、各種の処理様式を学習して実行することでネガティブ感情と上手に折り合いをつけ、心身機能を適応的に調節することが可能であることを示唆する。
|