研究分担者 |
福本 康秀 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (30192727)
菱田 俊明 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (60257243)
畑上 到 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (50218476)
小俣 正朗 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (20214223)
井口 達雄 慶応義塾大学, 理工学部, 准教授 (20294879)
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配分額 *注記 |
15,590千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 2,490千円)
2008年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2007年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2006年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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研究概要 |
代表者宮川は,半空間での流れの研究の基礎になるべクトル場の分解定理の完全な証明を与えた.これは次年度以降に実施予定の半空間における流れの漸近展開の研究の出発点となるものであるが,従来の証明の記述は不完全なものであった. 分担者菱田は回転物体周囲の流れの初期値境界値問題について,線形化作用素のスペクトルを完全に決定し,さらにその結果を用いて元の初期値境界値問題の解の構成に成功した.この問題自身は,境界が有界な領域を扱っているが,無限遠での解の挙動の分析に基づく基礎的関数空間の設定が,非有界な境界をもつ領域での流れの研究に極めて重要な技術的手順を示唆する.すなわち本問題では定常解の空間無限遠での挙動が極めて特異であり,その結果として線形化方程式からより扱いやすい線形化作用素を抽出するという作業が必要になる.菱田の仕事はこの手順の注目すべき成功例であり,他の問題の処理に益するところが極めて大きいと期待できる. 分担者井口は表面張力と重力の効果を考慮した自由表面波の伝播問題を扱い,表面張力係数がある臨界数に極めて近い場合にいわゆる長波近似を実行して,近似方程式として標準的に用いられてきた浅水波方程式に無視できない補正が必要なことを指摘し,実際にその補正項を導出した. 分担者畑上は,交通流の流体モデルを用いて渋滞形成の解析を行った.多重車線と車線変更を考慮したモデルを導入し,生起するパターンの安定性を解析した.
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