研究課題/領域番号 |
18340098
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
内藤 方夫 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (40155643)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
17,330千円 (直接経費: 15,200千円、間接経費: 2,130千円)
2007年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
2006年度: 8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
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キーワード | 酸化物超伝導体 / 電子相図 / 電子・正孔対称性 / モット・ハバード絶縁体 / エピタキシャル薄膜 / 分子線エピタキシー / 有機金属熱分解法 / 酸化物高温超伝導体 |
研究概要 |
これまで、高温超伝導は、母物質絶縁体に正孔または電子のいずれかをドープすることにより発現すると考えられてきた。電子・正孔ドーピングいずれによっても超伝導が発現することから、高温超伝導に対する「正孔・電子対称性」が主張されてきた。「正孔・電子対称性」は、現在広く受け入れられている「高温超伝導体をドープしたモット絶縁体」とみなす描像を強く支持する現象と考えられている。本来、「正孔・電子対称性」の厳密な検証には、同一結晶構造への正孔及び電子ドーピングが比べられるべきであるが、バルク合成ではそのような試みができない。本研究は、エピタキシャル単結晶薄膜を用い、同一結晶構造への正孔及び電子ドーピングを行い、高温超伝導の「正孔・電子対称性」の成否を厳密に検証することを目的とする。対称性の検証は四配位・五配位・六配位銅酸化物のすべてに対して行う。 平成18年度は代表的な八面体六配位銅酸化物としてK_2NiF_4構造を有するLa_2CuO_4を取り上げた。本物質はSr^<2+>/Ba^<2+>による正孔ドーピングにより超伝導化することが知られている。しかし、本研究で行ったCe^<4+>による電子ドーピングでは導電化傾向が見えず、逆に絶縁化する。すなわち、本系は正孔ドープにより導電化、電子ドープにより絶縁化する。平成19年度は代表的な平面四配位銅酸化物として、Nd_2CuO_4構造を有するRE_2CuO_4を取り上げた(RE:希土類元素)。本物質はCe^<4+>/Th^<4+>による電子ドーピングにより超伝導化することが知られている。しかし、本研究では、不純物酸素を除去することにより、ノンドープでも超伝導化することを見出した。また、本系は正孔ドーピングによりT_cが上昇し、電子ドーピングによりT_cが下降する。四配位・六配位銅酸化物いずれも「正孔・電子対称性」が破れている。
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