配分額 *注記 |
10,850千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 1,350千円)
2007年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2006年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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研究概要 |
衛星海面高度計で計測したASUKA測線における海面力学高度差から求めた黒潮流量のデータセットを,2002年末から2007年4月まで期間を延長して作成し,webサイトで公開した。このデータセットは,今後Jason-1の海面高度計データセットが公開される毎に期間が延長される。なお,長期間のデータを用いて経年変動を論ずる上で重要な,測器の系統的な誤差について調べるため,海面高度計・CTDやXCTDなどの船舶現場観測・Argoフロートなどの各種データを比較した。その結果,海面高度計と現場観測のデータは良く一致していることが確認された。さらに,Argoフロートのデータには圧力の-2dbar程度の誤差に起因すると考えられる系統誤差が存在することが示唆された。 黒潮の沿岸側と外洋側の2測点で,9年間にわたる倒立式音響測深器(Inverted Echo Sounder;IES)の連続観測データを用いて,測点間の1000dbar準拠の地衡流量を求めた。これを,海面力学高度差と等価深度の積として表現したところ,ほぼ9割が海面力学高度差で表現されており,海面高度計データを用いて黒潮流量を推定する方法の有効性が示された。なお,IESと海面高度計の各々で求めた海面力学高度のスペクトル解析を行って比較したところ,両者に有意な差があったのは主に中規模渦の時間スケールであった。 海面高度計と漂流ブイデータを組み合わせた絶対流速場から求めた黒潮流路のデータの解析では,黒潮の蛇行が膠州海山に常に隣接しながら発達して大蛇行に遷移することが前年度わかったが,この変動の様子は,高分解能同化モデルであるJCOPEでも見られることが確認された。
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