研究課題
基盤研究(B)
電離圏では電離圏プラズマと背景の(電気的)中性大気が密接に相互作用している。プラズマ密度に空間不均一があると、分極電界が発生し磁力線に沿って伝播することから、遠く離れた電離圏の間に電磁力学的な相互作用が生じる。本研究では、4つの研究課題について以下の成果を得た。課題1:ブレーンストーミングによる大気圏・電離圏相互作用研究の新展開平成18年度に中緯度電離圏の相互作用に関する国際ワータショップを開催し、現在までの到達点と将来の方向について議論した。この議論から次期のロケット観測計画をとりまとめてJAXAに提案している。課題2:F領域E領域FAIカップリングの統合観測実験平成19年度にMUレーダーによる電離圏F領域FAI観測と山形県酒田市からの小型レーダーによるE領域FAI観測、さらに大気光イメージャを組合せた、同一磁力線上にある電離圏相互作用の統合観測FERIX-2を実施した。F領域FAIが20-30kmの小領域から構成され北西-南東に延びる波面に沿って北西方向に移動すること、E領域FAIは同一磁力線上のF領域FAIの空白域に現れることなどを明らかにした。課題3:MUレーダーイメージング観測によるFAI微細構造の観測MUレーダーを用いたFAIエコーのイメージング観測法の開発を進めた。E領域FAI観測とGPS-TECに基づく電離圏相互作用に関する論文、F領域FAIエコーの微細構造に関する論文などを公表した。本課題の成果に基づいて、FERIX-2観測においてイメージング観測を全面的に採用した。課題4:衛星・ロケットによる電離圏ビーコン観測実験平成19年度にJAXA宇宙科学研究本部が実施した観測ロケット実験に参加して、ロケット-地上間のビーコン観測を実施した。またビーコン観測用ディジタル受信機を独自に開発し、観測ロケット実験に利用した。
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すべて 雑誌論文 (48件) (うち査読あり 24件) 学会発表 (37件)
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