研究概要 |
平成18〜19年度の研究実績は以下の通りである. (1)熱水鉱床(黒鉱鉱床)付近の熱水変質岩の化学分析を行った.特に希土類元素の地球化学的挙動を解明した. (2)汚染土壌,河川堆積物,砂中の重金属元素(クロムなど),希土類元素の化学分析,抽出実験を行い,重金属元素濃度,存在状態を明らかにした.河川堆積物・土壌と、水反応実験を行った. (3)地下水分析を行い,地下水水質の解釈を熱力学に基づいて行った. 以上の分析的研究成果を論文として公表することができた.水-岩石(玄武岩,堆積岩,花コウ岩)反応実験を行い,水質,鉱物の変化(鉱物種,鉱物表面観察など)を明らかにした.水質変化については,速度論モデルに基づいたコンピュータシミュレーションを行い,その結果と実験結果との比較・検討を行った.これらの実験結果,シミュレーション結果をもとに,CO_2地中貯留における地下でのCO_2挙動の考察,貯留量の推定を行った. (4)堆積岩中の水-岩石反応により生成した主要な二次鉱物(粘土鉱物(スメクタイト,イライト)),炭酸塩鉱物の化学分析を行い,希土類元素濃度,重金属元素濃度などを求め,これらの元素濃度の支配要因(イオン半径,電荷,電気陰性度など)を明らかにした.そして,これらの鉱物により放射性廃棄物より溶出される核種の遅延効果を明らかにした.また,重金属元素の不溶化対策としての利用の可能性について検討した. (5)その他に,カイネティックス・流動カップリングモデルに基づいたシミュレーションを行った.例えば,火山地域(富士山)の地下水の分析を多く行い,また,火山岩-水反応実験を行い,水質データの解釈について上記シミュレーションを行い,地下水の滞留時間の推定を行った.
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