配分額 *注記 |
16,480千円 (直接経費: 14,800千円、間接経費: 1,680千円)
2007年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2006年度: 9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
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研究概要 |
多種多様の光学活性物質を従来法よりも格段に効率よく製造しうる方法の開発が強く望まれている。そのためには,既存の方法を大きく改良して実用的レベルにまで高めるとともに,一方において革新的な不斉触媒反応の開発を目指して,新たな概念に基づく基礎研究を強力に推進する必要がある。本研究の目的は,選択性と活性の両面で既存触媒よりも優れた不斉触媒を開発することであり,この目的を達成するために当研究室で開発されたP-キラルホスフィン配位子の改良とロジウム錯体触媒不斉水素化の立体選択性発現機構を明らかにするための実験と量子化学計算を行った。 新規骨格をもつホスフィン配位子(t-Bu-Quinox*とAlkynylP*)をホスフィン-ボランを用いて合成した。これらの配位子は,代表的な遷移金属錯体触媒の不斉反応においてほぼ100%の極めて高いエナンチオ選択性を発現した。 ロジウム錯体触媒不斉水素化の立体選択性発現機構を三象限が遮蔽されたP-キラルホスフィンロジウム錯体を用いて研究した。核磁気共鳴よって新しい活性種の捕捉とその反応性を調べることによって,エナンチオ面の選択は触媒-基質-水素の三成分が会合する段階で決定されることを明らかにした。さらに,量子化学計算によって反応経路と立体選択機構の検証を行った。 触媒の立体構造と生成物の絶対配置の相関関係について,これまでに得られている実験結果を基に解析した。その結果,炭素骨格上に不斉中心をもつ配位子においては,リン原子上に二つの置換基の立体効果が反応種類によって逆転しうることが明らかとなった。
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