研究課題/領域番号 |
18350032
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
三宅 弘之 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (00271198)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
16,350千円 (直接経費: 14,700千円、間接経費: 1,650千円)
2007年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2006年度: 9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
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キーワード | 金属錯体 / らせん / 不斉 / 置換活性 / 外部刺激 / アニオン / ペプチド / 分子運動 / コバルト / 溶媒 |
研究概要 |
本基盤研究では、光学活性4座配位子からなる置換活性な遷移金属錯体のアニオン応答性ヘリシティー反転システムを基盤として、新しい機能性分子スイッチングシステムへの展開を図り、以下の点において成果を収めた。 (1)錯体ヘリシティーの反転を活用した高分子らせん構造の反転制御 ペンタペプチドを縮合させた光学活性4座配位子を合成し、金属錯体化を行った。ペプチド型配位子および金属錯体の構造をNMR、CD、X-線結晶構造解析法を用いて精査し、それららせん構造を明らかにした。さらに、アニオン刺激による金属錯体部位のヘリシティー反転に応答したペプチドらせんの反転にも成功した。また、中心金属イオンの種類により反転速度の精密制御も可能であった。このように、金属錯体からペプチド鎖へのキラル情報の空間制御と、ペプチドらせんの時間制御ができることが明らかになった。 (2)酸-塩基に応答した伸縮-らせん反転連続運動錯体分子の開発 アミド基の金属中心への配位結合の異性化反応を活用して、酸-塩基の添加によるらせん分子の伸縮運動が可能になった。さらに、アニオン刺激を併用すると、伸縮運動とらせん反転運動の連続運動も可能になった。 (3)硝酸アニオン選択性電極の開発 電極膜ヘキラルな亜鉛(II)錯体を導入し、硝酸アニオンに対してきわめて選択性の高い電極の開発に成功をおさめた。 これらの自在な錯体ヘリシティー反転プログラミングは、従来の配位立体化学に運動性を付与する新しい方法論であり、今後の分子スイッチング系の開発に対して重要な知見を与えるものである。
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