研究課題/領域番号 |
18350039
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
分析化学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
西澤 精一 東北大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (40281969)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
14,740千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 1,140千円)
2007年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2006年度: 9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
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キーワード | アプタマー / 核酸 / 脱塩基部位 / 蛍光 / 競合アッセイ / 検出 / 分析試薬 / アプタマ / テオフィリン |
研究概要 |
近年、DNAあるいはRNAをアミノ酸やATP等の生体関連基質に対する分析試薬として利用する試みが盛んに行われている。これらの機能性核酸は、アプタマーと名付けられ、インターナルループやステムループ構造が標的基質に対する結合サイトして機能していることが知られている。 一方、本研究では、全く新たな試みとして「脱塩基部位(AP site)を結合部位として有する低分子結合性DNA(アプタマー)の開発」を試みた。具体的には、生体代謝物質や薬理活性物質等を標的基質とするもので、これらの標的化合物を脱塩基部位に対面するレセプター塩基が水素結合形成により選択的に捕捉する。まず、チミンをレセプターとするAP site含有DNA二重鎖がリボフラビンに対する優れたアプタマーとして機能しうること(解離定数:1.9μM)を見出し、さらに、蛍光マーカーを利用する競合アッセイ系を構築することで、テオフィリン(解離定数:31μM)やカフェイン(解離定数:20μM)、アデノシン(検出濃度:10〜150μM)を標的基質とするアプタマー開発を達成した。 また、2-アミノプリンをレポーター塩基とする蛍光性DNA二重鎖が、テオフィリンに対して高選択性を発現しうることを見出した(解離定数:10μM)。この場合、蛍光マーカーが不要となることから、より簡便なアッセイが可能となる。 既存のアプタマーはRNAをべ一スとするものが主流で、優れた結合親和力と選択性を発現することが報告されている。しかし、化学的に不安定であることがRNAアプタマーの致命的な問題で、汎用性のある分析試薬としての活用には難があると言わざるをえない。これに対し、本研究ではDNA二重鎖中に設けたAP siteを結合サイトとして利用することで、充分な結合選択性と明瞭な蛍光シグナルを発現しうるセンシング機能と、化学的安定性を兼ね備えたアプタマー開発を達成した。
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