研究課題
基盤研究(B)
リビングアニオン重合と官能基変換反応を組み合わせた新しい繰り返し法を展開することで、7世代に及ぶ高世代の樹木状多分岐ポリメチルメタクリレートの合成に成功した。得られたポリマーは分子量200万でポリマー鎖508本、鎖末端基512個から構成される超巨大分子であり、分子量分布はMw/Mnが1.02と極めて狭い構造が厳密に制御されている。中心部の分岐は4本、第二世代以降はいずれも2本二分岐している。さらに中心部に加え、すべての結合点が4本に分岐している高密度のポリマー合成を試み、3世代で100万になるポリマーの合成に成功したが、4世代は立体障害のため最外層には、70%しか導入出来なかった。それでも分子量が300万に達し、鎖末端基は736個を数える。次に機能性セグメントを考え、ポリ(2-ビニルピリジン)、ポリ(tert-ブチルメタクリレート)、ポリ(2,3-ジヒドロプロピルメタクリレト)を最外層に導入したポリマーを合成した。これにより、塩基性、酸性、イオン、水溶性をポリマーに付与することに成功し、劇的な溶解度の変化が観察された。上記の異種セグメントの導入が成功したことより、さらに液晶性、光学活性、LCSTを有する感温性を有するメタクリレートポリマーの導入にも成功した。中でも分岐構造や世代がLCSTに与える影響を詳細に検討した結果、中心部にポリメチルメタクリレートが存在すると、予想外に水に対する溶解性が悪く、最外相に80wt-%以上の導入が必須であることを見出し、水溶液中での形態が予想とは異なっていることが明らかになった。LCSTは示すが単独ポリマーに比べ5-7度も低くなることがわかった。得られたポリマーの形態をSAXSで測定し解析すると、楕円球体であることを初めて見出し、世代と共に球体に近づくことを明らかにした。またAFM測定の結果、合成法に基づく形態と内部の分岐点を直接見ることに成功した。この種のポリマーでは世界で初めての画期的な成果である。
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